小学生のころ、時がすぎるのってすごく時間がかかるな、と思ってた。実際に、子どもの感じる1年の長さと大人の感じる1年の長さは生きてきた年数が違うから感じ方ちがうってことらしいじゃん。
すごくすごく長く生きたら、子どものころがありえないくらい遠い遠いむかしになって、自分には子ども時代なんてありませんでした。みたいなことにならないかな。なったらすごい。化物みたいな存在になれたみたいですごい。
小学生あがらないくらい、ほしいものなんてない年頃、お父さんがこの世にはトトロのぬいぐるみがベッドになってるベッドがあるのらしいからそれを誕生日プレゼントとして買ってくれるって、トイザらスに行った。そんなベッドは売ってなくて、トトロのぬいぐるみを買ってくれた。
インターネットがない時代に、トトロのベッドがあるなんて噂があるの、良いなあ。良くない?メイちゃんみたいになれるベッドがあるって話を、お父さんはどこかから聞きつけたんでしょう?いいなあ。昔話みたい。昔話ではあるんだけど。物語の、伝説として語り継がれてきた類の、都市伝説とはちょっとちがう、たからもの感がつよい噂。
本当にあったのかもしれないし、ないかもしれない。
なんか、いつか全部なくなっちゃうのかなって思って心細い気持ち